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"震災による喪失が引き起こした人々の嘆き苦しみを被災者の目を通して描きながらも、なお未来に託す希望のメッセージを我々に送っている。"
カナダ首相 ジャスティン・トルードー
東北の新月: 2011年に日本の東北地方で起きた大地震、津波、そして放射能汚染災害後の、愛とサバイバル、日本の文化伝統の感動の物語。
この映画は宮城、岩手、福島 各県沿岸の市町村での 2年半以上に及ぶ取材ロケを通じて制作された、災害に打撃を受けた日系カナダ人映画作家と被災者住民の心の快復の記録である。
寡黙を旨とする東北の人々がその沈黙を初めて破り それぞれの思いを言葉にする。彼らの強さが先祖から受け継がれたものであり、自分達の存在が日本文化のさらなる存続においてもユニークなものになった事を神秘的な確信を持って物語る。未来を夢見る少年、新たな戦いに挑む年老いた侍: 両者は言葉で言い表せぬ何か、しかし人生に必要不可欠な何かを共に見い出す。
「新月」、目には見えぬ月、しかし闇の中にその同じ引力を持ってしかと存在する月。
東北の新月:宮城、岩手、福島の人々の声。
監督からのメッセージ
「当初、映画製作者としてではなく、多数のボランティアの一人として、東北へ行きました。荒廃した岩手、宮城、福島で日を過ごすにつれ、多くの途方にくれている東北の人達に会うにつれ、自分で率先したのでも希望したのでもないのですが、私の職業を生かして人々を助けるという方に少しづつ変化していきました。
多くの被災者に自分たちの話を映画化してくれるようにと頼まれ、時には懇願されたのですが、私はお断りしていました。ある日、原子力発電所の爆発により被災した20キロ圏内の侵入禁止区域で、人っ子一人いない見捨てられた福島県小高の町を一人で歩いている時、私の心に変化が訪れました。涙が溢れてきて、このドキュメンタリー「東北の新月」(A New Moon over Tohoku) における東北の人々との2年に渡る記録が始まったのです。
多分、私が外国人(カナダ人)であること、日系三世であること、女性であることが行程において助けとなって、日本人である被災者が心を許し、私を信頼し、率直に簡潔に語ってくれたのでしょう。言葉では表現できない歌や踊りで理解させてくれたのでしょう。
インタビューの後、多くの人々が、やっと自分たちの苦悩、喪失、喜び、恐怖、怒り、愛を言葉にすることができたのが、どれだけ大切なことかを語っていました。そして、言葉にして語ることが癒しの過程においてどれほど大切なことであることかが、私の目には見えました。
東北の人々は、何が人として大切であるかを気づかせてくれます。彼らの存在を無くしては、生きること、死、日本人であること、そして人間であることを学ぶ機会を失ってしまうことになります。テクノロジーと使い捨てに溢れた現代社会において、人間の基本にそって生きるということがそれらのことを気づかせてくれるでしょう。」