【1/23開催報告】高橋慎一監督トーク付『Cu-Bop across the border』上映会


 TWFF2021年第一弾の上映配信は無事終了しました。

ご参加くださった皆さん、応援してくださった皆さんに感謝します。

高橋慎一監督、Kamita Labelの二田綾子さんすてきなトークをありがとうございました。 


男性の監督による男性主人公の映画に女性が登場するわけ

1/23のトークイベントでは『Cu-Bop』とキューバをめぐる魅力的なたくさんのストーリーを知ることができました。

 

男性の監督による男性主人公の映画上映というTWFFとして初の試みではありましたが、トークイベントのテーマあえて「キューバの女性たち」とし、登場する女性の姿にクローズアップしました。まずCu-bopにどれくらい女性が登場したかチェックしました。画像は監督に許可を得てスクショしたものです。日常風景の中や男たちの母親、妻、パートナー、たくさんに女性たちが登場します。意図した事ですか?と高橋監督に投げてみると、ドキュメンタリーの中でリアルな女性像を伝えることへのこだわりを話されました。ドキュメンタリーは貴重な“キューバを伝える”機会。女性を描かないことは歪曲したイメージで伝えることになると、考えたたそうです。

 

特に画家として紹介されるイリアーナ・サンチェスさんのシーンは編集の段階でカットするか議論になったとの事。高橋監督は50代でかつブラック、そして女性でありながら、国を代表するクリエーターがいるという事もキューバの一部として伝えたいと譲れなかったそうです。

 

そして、露出度が高く、どことなくセクシーな女性たち。

「太ってるからとか気にする人は誰もいないですよね。誰かに何かを言われてミニスカートをやめる女性はいないです。彼女達は自分の着たい服を自分のために着るんですよ」(高橋監督)

 

また、四谷怪談のような「恨めしや〜👻」はキューバの女性達にはあり得ないという笑い話も。

恨んで歯をくいしばるなんて事はせず、恨みは口に出して、さらに握り拳を一発喰らわせて晴らす🤜そんな感じですと笑わせてくれました。

 

コロナ禍で塞がりがちな気分を軽くしてくれた、キューバの女性たちのお話しでした。


キューバと音楽

革命後のキューバの社会主義体制により、政治的に、あるいは広い世界に出会いを求めて…様々な理由で多くの人々が母国を去りました。去った人、残った人、どちらもやはり大国の政策に振り回され、キューバの体制との板挟みになりながらその影響を受けるのですが、それを受け入れながらも自分たちの在り方に誇りをもっている。彼らは多くを語りませんが、彼らの音楽は雄弁です。それを伝えるこの映画も、多くを語らず、また雄弁だと感じました。 

 

 “演歌歌手が一曲を何年も歌い続けるように”『Cu-Bop』の上映を続けてきたという高橋監督も、2021年ついに新作を発表します『THE FOOLS』

こちらも音楽ドキュメンタリーですが、『Cu-Bop』以上に“人”を伝える作品となるそうです。